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芸人9条の会 無事終了!

11月16日、第8回目の芸人九条の会が東高円寺のセシオンにて開催されました。来場者は230人、キャパの57人を埋める事はできませんでしたが、出演者とお客様の熱気が一体となって、政権への怒りが笑いの力で明るくパワーアップ、楽しく有意義な会ができたと思います。

大阪から参加の桂文福師匠、パギやん、笑福亭竹林師匠、伊豆から駆けつけて下さった中山千夏さんと佐高信さんの明るく厳しいトーク、神田香織さんの唄も素敵なジャズ講談、おなじみオオタスセリさんの唄とコント、お客様みんなで楽しめる岡大介さんのカンカラ三線、そして今回の特別ゲストだるま食堂のみんなびっくりステージ、私は総合司会を担当しましたが、四時間という長丁場にお客様も頑張っていただき、大盛会に終わりました。

そして合間のワイワイガヤガヤのコーナーにはおしどりマコ・ケンのお二人も登場、マコさんの来年の参院選出馬をメンバー全員で応援することを発表、当人の意気込みも語ってもらいました。お客様からも温かい声援を受け、新たに元気をいただいたようです。精一杯応援したいです。
カンパもたくさん頂戴しました、御礼申し上げます。
来年5月4日は大阪で第九回芸人9条の会を開催します。関西方面の方はよろしくお願いいたします。

9条の会の手拭いも、スセリさんの素敵なイラストで作りました。パギやんのアイデアです。ほしい方はご連絡を送料別で500円です!

<ご予約、手拭いどちらも菊千代まで>

ちよりん改め駒子「真打昇進襲名披露のお礼とご報告」

おかげさまで、弟子のちよりんが十五年の修業を経て、目出度く駒子と名を改めまして真打に昇進、披露興行を無事終了いたしました。

各寄席にお越しいただき、お祝いの気持ちやお言葉をいただきましたお客様に深く感謝申し上げます。弟子のこととはいえ、こんなにも大変なものかと私もつくづく思いました。二十五年前に自分も経験したはずですが、時代や状況、また先輩方の顔ぶれも変わり、楽屋の番頭さんたちに色々作法を教えてもらいながら、師弟二人してしくじらないようにただただ気を遣うばかりでした。
師弟関係というのは親子関係ではないのですが、世間の方々からは親と同じと理解されているので、子を案じる親という脇役としてなるべく口を出さずに主役を見守ることの大変さを痛感いたしました。
ですが、今まで知らなかった弟子の一面や楽屋での人脈なども知り、感心することも多々ありました。師弟関係は一生涯続きますが、まずは駒子も一人前、私にとってはライバルになりましたので、これからは自分自身の精進を改めて心に誓い、勉強していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

上野鈴本演芸場と浅草演芸ホールの披露口上では、一回ずつ三遊亭歌る多師匠が落語協会理事として、口上の司会を務めてくださいました。歌る多師匠とは平成五年に二人で真打昇進のお披露目をしたときの大初日、三月二十一日に二人で並び、理事の師匠方に口上をのべていただきました。
その時以来初めて、しかも今回は駒子を含めて女が三人口上に並びましたので、これは日本の歴史上初めてのことです。

ちなみに二十五年前は亡くなられた先代の小さん師匠、志ん朝師匠、志ん馬師匠、うちの師匠円菊、今回も並んでくださった馬風師匠でした。何とも感慨無量です。
馬風師匠は一九五六年に小さん門下に入門されました。つまり私の生まれた時から噺家で、菊千代・駒子師弟二代にわたって口上に並んでくださったのですからこれまた感動です。本当にありがたいことです。

 

上野鈴本演芸場9月28日の披露口上。左から三遊亭歌る多・柳家小さん・駒子・菊千代・鈴々舎馬風・林家正蔵

 

1月31日は末廣亭に!

第二回 落語協会
落協レディース 只今参上の会

今年行われた第一回目が大好評、お客様のみならずお席亭のお怒りも受けなかったようで、ありがたく2019年も開催されることになりました。またまた見習いが増えたり落語協会女性噺家界は大賑わいです。
出演は…真打 三遊亭歌る多(故・円歌)・古今亭菊千代(故・円菊)・林家きく姫(木久扇)・川柳つくし(川柳)・林家ぼたん(こん平)・柳亭こみち(燕路) 新真打 古今亭駒子(菊千代) 二ツ目 三遊亭粋歌・美るく(歌る多)・春風亭ピッカリ(小朝)・林家扇(木久扇)・柳家花ごめ(花緑)・林家なな子・つる子(正蔵)・林家あん子(しん平)・春風亭一花(一朝) 前座 金原亭乃ゝ香(世之介)・林家きよぴこ(彦いち)・まめ菊(菊之丞) 他 見習い。
12時半開場 45分開演
16時15分 終演予定
一階椅子席:全席指定
前売当日共通:3500円 (すみません。会割は無しです)
女性に限り500円キャッシュバック
●チケットご予約は菊千代までお早めに!

最後にやっぱり言いたい!

何でもかんでもろくに審議もせずに数の暴力で強行採決。
戦争法案はもとより、共謀罪・カジノ法案・働き方改革関連法・出入国管理法改正案…私はいまだにオリンピックも、そして万博も腹立たしいけれども、本当に日本がどんどんうわべだけの国になって、貧しい人、窮地に立たされている人たちがないがしろにされて、今日さえ、自分さえ良ければ、嫌なこと、関係ないと思うことには耳をふさいでしまう。そんな人たちが多くなって、実はこの国の中身はどんどん壊れて行っている気がします。
大人がお酒を飲むようなお店に子供も連れて行き、うるさいからってゲームを預けてやらせているお母さん。福島の線量の高い所や、黒いビニール袋がいっぱい詰まれている所があるのに、汚染水が流されているというのに、安全と言ってまだ原発を推進する政権。沖縄の海に海上自衛隊員が間違えて実弾を落としたというニュースの後に、北朝鮮の核実験の疑い云々のニュースを平気で流すメディア。いい加減にしてほしい。
今、誰が日本を脅威にさらしているのかよく考えることが必要だと思います。

ここで一句。
正義無き 数の暴力 アベセイジ

矯正活動報告

最近篤志面接委員の研修や研究会に出ることが多く、おかげさまでご縁ができて、施設の訪問演芸のお話が色々決まりました。

私は東京拘置所と岐阜刑務所の篤志面接委員を委嘱され、月に一回話し方教室と岐阜では落語教室を開催しております。篤志面接委員というのは日本の矯正施設内で、悩み事相談にのったり、また、矯正のために面談や講話、教養や趣味に関する指導を行ったりするボランティアのことです。
私は亡き師匠円菊より受け継ぎ平成十三年より東京拘置所に通い、三年前から岐阜にも行くようになりました。そして師匠の遺志を継ぎ各矯正施設での落語口演をさせてもらっています。
私の目標は全国制覇!とはいえいくら篤志面接委員といえどもその施設からの要請がなければ好きに訪問できるわけではありません。二年ほどで転任なさる所長さんがその移動先でも呼んでくださったり、同じ篤志面接委員の先生が声をかけてくださったり。…
というわけで、このところの研修会でお知り合いになった方々のご縁で、来年は三カ所が決まりました。

ちなみに今まで訪問した所は、東京拘置所・前橋刑務所。府中刑務所。新潟刑務所・千葉刑務所・筑紫少女苑・福岡少年院・名古屋拘置所・福岡拘置所・駿府学園・岡崎医療刑務所・市原刑務所・福岡拘置所・小倉拘置支所・松本少年刑務所・笠松刑務所・釧路刑務所・網走刑務所・水戸少年刑務所・函館少年刑務所・福島刑務支所・姫路少年刑務所・広島拘置所・八王子医療刑務所・岡山刑務所・福岡刑務所・松江刑務所・麓刑務所・長崎刑務所・山形刑務所・岐阜刑務所・神戸刑務所は刑務官の方々に。京都刑務所は矯正展。
来年は尾道支所・何度目かの名古屋拘置所、二度目の筑紫少女苑が決まっています。お近くに矯正施設のある方是非落語会を開催してください。

その交通費で、施設にも行くことができます。特に少年少女の保護施設には行きたいです。現代の子供達が置かれている状況は悲惨です。勿論幸せに暮らしている子達が大半でしょうが、育児放棄、虐待などによって最終的に生き延びられても非行に走る子供達には一つの罪もありません。
そういう問題と向き合って考えることも、その子達に少しでも人情や笑いの大切さを知ってもらう事も私たちの仕事だと思っています。

ご無沙汰しました。

全国各地で多大なる災害被害がありました。まずは、ご家族、最愛の方を亡くされた方、また住む所が流され、壊され、いまだ戻ることのできない方々、暑い最中に片付けなどに追われている皆様、心よりお見舞い申し上げます。そして、あまりにも範囲が広い事や、体力財力のなさを言い訳に、なにもお手伝いできずにいることを心よりお詫び申し上げます。
このところの猛暑も含めて、地球が自然が本当にパンク状態なのだなあとつくづく感じています。
そんな最中、安倍政権の下、悪法案が数の力によっていとも簡単に決められていくこと、こんな状態でもオリンピックの計画が変わらないこと、いとも簡単に人が人の死を決めてしまう、あまりにも安易な死刑執行がされたこと。自分たちのしたことよりもそれをツイッターに上げた人に対して平気で処分をする。もう、毎日のニュースを見るのがしんどくなりました。
旅続きだったせいもありますが、どんなことを書こうかと悩むうちに日々が過ぎていきました。『落語は平和でなくては笑ってもらえない』って本当なんです、気持ちが明るくなきゃ笑えないし、話す方も心から元気でないと笑ってもらえる噺は出来ないんです。
そこで、今回はガラッと気分を変えて、最近見つけた楽しい事、良い事をお知らせすることにいたしました。題して…

こんな事みーつけた。

まずはお勧め商品です。
いきなりですみません。すごい、お勧め白髪染めシャンプーの紹介です。七月九日から読売旅行チャータークルーズに乗船するために行った利尻のスーパーマーケットでたまたま見つけました。私は、髪を染めるのが嫌なので、ヘアーカラートリートメントというものをたまに使っておりますが、ちょっと面倒だったり、良く洗い流しても汗が茶色くなって襟を汚したりして不便なところがあります。色が付いたり
するので洗い場の無いホテルのお風呂では使えませんから旅先には持っていけません。まあ、仕方がないかなあと思っていたら、見つけたのです。天然利尻昆布エキスと二十六種の植物成分配合・パラペン、香料、鉱物油無添加「利尻カラーシャンプー」。色はライトブラウン、ナチュラルブラウン、ダークブラウン、ブラックの四色。そこにはライトブラウンとブラックしか無かったのでライトを買い早速試してみましたら、不通にリンスができるので色落ちもなく、髪はつやつや、心なしかボリューム感も感じます。なんと素晴らしい!早速ネットで調べてダークブラウンも買い求めました。通常料金は3500円です。最高に感動しているので、お勧めします。パッチテストをしてからお使い下さいとなっていますが、結構デリケートな私は問題ありませんでした。お若い方には関係ないでしょうが、ちょっと気になっている方には是非お勧めです!
新宿で開催している落語教室「福々亭」が、隔月でお世話になっている箱根湯本のつつじ荘で見つけました。『コラーゲン手作り透明洗顔石けん』。海洋性コラーゲンとヒアルロン酸配合です。洗い心地もつる
つるで気持ち良いです。お値段は1080円とお手頃、私はあきゅらいずの石けんを使っていましたが。今では朝晩交互に使っています。

夏バテ対策もしたいですね。私は最近やっと一日一片「黒ニンニク」を始めました。思ったより食べづらくなく匂いもしません。岐阜県恵那市の【いろり庵】さんに泊めていただいた時に元気なおかみさんが目の前で食べて見せてくれて、断ることもできずに私も初挑戦しました。実は勇気がなく戴き物が冷蔵庫に入れっぱなしだったのですが、この日を機会に私も始めました。これは良い!って感じです。

さて、趣味に移ります。川柳に開眼いたしました!そもそも、読売チャータークルーズのお仕事をさせていただくようになったきっかけが、亡き師匠の大親友である内山先生のご紹介でした。内山先生は「河太郎」という川柳の宗匠で「円菊会」という集まりを主宰していただいていました。師匠のお供で何度かお邪魔しましたが、師匠にそんな趣味があるとはちっとも知らず、行くたびに私は目を白黒させておりました。先生は川柳教室、お連れ合いの高橋和先生は絵画教室で乗船されているお船に私もと声をかけていただき、そしてそのお仕事も五年目になりました。先生の教室に自分の仕事と重ならない限りはお邪魔してはおりましたが、なかなか心から楽しめていなかったような気がします。ところが何がが、はじけたのでしょうか?急に面白くなりました。なぞかけと同じように言葉を楽しむ、言葉をつなぐ喜びが感じられるようになったのです。「川柳は季語はいらないけれど、勉強しておいた方が良い」と先生がおっしゃるのをうかがい、新作やる前に古典をちゃんと勉強しろと円丈師匠がお弟子さんに言っていらしたことを思い出し、これから勉強もしようと思います。船内で先生に褒めていただいた句を恥ずかしながら発表します!

●ありがたや 終電気にせぬ 船の旅
●ダイエット 絶対無理な 船の旅
●ありがたや 今日の恵みに 手を合わせ
●インコたち 飼い主留守で 羽伸ばし
●噺家は 笑い上手に 助けられ
●川柳の 楽しさ覚え 指を折る
●荷造りを してはほどきの 旅仕事
そしてこのところの猛暑で…
●背の低さ いまさら恨む 照り返し
●日傘など 役に立たない 照り返し
駄作で失礼いたしました。

次は素敵な本のご紹介です。
一九五六モンキーズメンバー、大親友の萩原なつ子さんが教えてくれました。「わたしはあかねこ」最近、刑務所の授業や講演で使わせて頂いています。作 サトシン、絵 西村敏雄絵、文渓堂から出ています。皆それぞれ違っていい、まずは自分の個性を好きになること。そんなことが確認できる素敵な絵本です。

最近、作者の弁護士 楾大樹先生を招いての講演会のチラシを見て調べてみました「織の中のライオン」
憲法がわかる四十六のおはなしです。権力をライオン、憲法を檻に例えたわかりやすい憲法の入門書です。発行 かもがわ出版。
さて、私の営業をさせていただきます。落語ではなく手芸作家としての営業です。九月九日には湯島天神で開催される落語協会のお祭り「謝楽祭」にて、刺し子のバックや、熊手や縁起物の小物販売。また十六日は蔵前にて行われる「ことのわ」イベント(鳥グッズの作家さんたちのイベント)に出品します。そして私オリジナルの熊手の注文販売を受け付けております。主役が羊毛で作るインコだったり噺家だったり、できる限りのご要望に沿うように制作します。価格は五千円から七千円ほど。最初にお見積もりを出しての制作にさせていただきます。是非オリジナルな熊手を飾って福を招いてください。ご注文は菊千代までメールでお願いいたします。

とっても嬉しい信じられないようなお話があります。我が家のインコのお話です。うちにはオカメインコの桃太とアオシンジュウロコインコの空太とホウミドリウロコインコのピータンがおります。三羽とも男の子です。ウロコインコはみんな仲良くなるから飼いなよと勧められ噛み癖があり飼い主の手におえない空太の友達としてピータンを飼うことにしたのですが。それが大間違いで全く気が合わず羽が散るような喧嘩をするほど仲が悪く、しばらくは一緒に放鳥することもできませんでした。何とか距離を置いてお互いけん制しあうぐらいの感じにはなって放鳥はできていたのですが、。同時に放鳥出来る。あの、南北首脳会談の朝です。テレビで金正恩委員長と文在寅大統領が手をつないで板門店の三十八度線を超えるシーンを感動しながら観ていた時、ひょっとインコたちを見るとその犬猿の仲の空太とピータンがベタベタと羽繕いをしあっているではありませんか!テレビとインコを交互に見ながら私は嬉し泣き。それからというもの一羽が私の肩に来ると真似して一緒に来るので、私の肩の上で二羽ががイチャイチャ、我が家は統一まであと一歩です。

吉例 浅草演芸ホール住吉踊り

今年も住吉踊りの季節がやってまいりました。代々伝わる踊りの数々は勿論のこと芸人ならではの茶番や言葉遊びも楽しめます。この時期、浅草でしか見られない風物詩!ぜひお越しください。
ご予約は菊千代まで。

菊千代 旅日記/1

今年も旅好きな菊千代は可愛い3羽のインコを90歳の父に託し、旅のお仕事を色々お受けしています。まずは二月、弟子のちよりんから頼まれ、一緒に中国に行ってまいりました。
北京 日中国交回復30周年記念イベントとして、日本人学校(小学生低学年・高学年・中学生)と日本大使館での「北京早春寄席」。

トランジットで一泊はしたことがありましたが、三泊もしたのは初めてでした。空港や街並みに本当にびっくり、いまや中国は世界を支えているんだなあと感じました。テレビで見た漫才がみんな古典mの服を着てやっているのに違和感を覚え聞いてみると、中国の漫才は皆古典を引き継いでいるのだとか。これは風刺や、世情の情報拡散を防止する手段なのでしょうか。インターネットはウイチャットというものしか利用できなくなっており、その代わりそのアプリで、すべての買い物、乗り物などの支払いができてしまうという、便利なんだか、その代わり見張られてるんだか、という感じはしました。
まあ、日本も着実に同じような管理をされつつありますので、他人事とは言えませんね。しかし、なんといっても、中国は食べ物が美味しい、一晩目はなぜかイタリアン、二日目は本格中華、最後の夜はそれはそれは美味しい北京ダック、それぞれお迎えいただいた伊藤忠、日本大使館、北京日本人会の皆様からごちそうになって大満足。そして何よりも、日本人学校の生徒さんたちのかわいらしさと素直さにびっくり、大笑いしてくれる姿に涙が出るほど感動しました。子供たちの笑い転げる姿には先生方も驚いていました。

日本大使館での早春寄席にもたくさんの在留邦人の皆様と日本に精通している中国の方々がお越しくださり、楽しんでいただきました。一時ひどかった空気汚染もだいぶきれいになったようで、子供たちが表で遊ぶこともできるようです。マイナス8度という気温には驚きましたが、最終日の午前中、飛行機の時間まで時間があったので近くのショッピングモールまで散策、肌が切れるような寒さの中自由時間を楽しみました。往復の飛行機は協賛のJALさんのご厚意が半端ではないVIP待遇で、夢心地。親善事業ということに、それぞれ心からの対応をしていただいたので、ちよりんも私も大満足の旅でした。

菊千代 旅日記/2

<ニュージーランド>
中国から帰った三日後、ピースボートに途中乗船するためにニュージーランドのオークランドに向かいました。お船のスケジュール変更で思いがけず二泊フリータイムをいただき、オークランドのワイヘキ島に暮らしていらっしゃるピースボートのスタッフのお母様がお付き合いくださって、フェリーに乗ってデボンポートまで行ったり、スーパーのはしごをしたり、楽しい時間を過ごしました。船と合流し、出航までの時間、スタッフとまた楽しくオークランドの街を徘徊しました。ニュージーランドは、日本人、韓国人そして中国人が多く留学生もたくさんいるので、テイクアウトのお寿司屋さんや、丼物のお店、そして焼肉屋さんなど入りやすそうなお店も多いですが、入ってみるとお店の人は中国人、または韓国人でした。船まで送ってくださった、旅行代理店の方が「いやー、今どき日本人は、このニュージーランドで、朝早くから生もの仕入れて水仕事してなんていう大変な仕事をやろうとはしませんよ」とおっしゃっていました。

<ニューカレドニア>
やはり途中乗船のため以前来たことのあるニューカレドニアに寄港、軍事評論家の前田哲男さんの葉巻探しにお付き合いし、お洒落なレストランでランチ、サーブしてくれた女性のお子さんは四月から日本に就職の研修に行くと言っていました。広いお店を一人で働きまわり、夜は違うところで働いているという元気一杯の女性でした。どの国でも母は強しですね。

アウンスティン山の平和記念碑 お客様が法衣持参でお念仏を。 浄土真宗のお坊さんのようです。

●ソロモン諸島ガダルカナル島
初めてのガダルカナル島、これはぜひ戦績を巡らなければとツアーを取りました。中国のマイナス八度からイッキに二〇度以上のところをめぐって、この島はほとんど太陽が真上、、暑い最中に平均年齢は70歳くらいでしょうか、「アウンスティン山の平和記念碑、血染めの丘、ヘンダーソン飛行場と巡るオプショナルツアーを選んだ方々は皆元気、比較的若めな私はダウン気味でした。飛行場では私たちのためにガイドをかって出てくださった現地の方の「日本人がこの空港を作ってくれたんですよ」という説明に、けれどもこの空港を作ったからこそ、連合軍との基地、島の奪い合いが始まったという悲惨な歴史を改めて確認しました。

●パプアニューギニア島 ラバウル
三度目のラバウル、私はこの島の方々が大好きです。日本の占領、連合軍との戦地とされ、その後ドイツ、オーストラリアと、統治が変わり、それに加えて火山の噴火に度々見舞われ。どう考えても苦難の歴史を繰り返した、私の目には踏んだり蹴ったりされた人達、なのに、なんという人の好さなのか。スピードを出している車の窓にさえ手を振ってくれる。すれ違えば必ず挨拶する。強面のおじさんも小さな子供もみなにこやかな笑顔を見せてくれる所です。
火山が静まり落ち着きを見せた穏やかな景色に私も安心しましたが、前田哲夫さんとともに戦跡博物館に行く途中の道のガタガタと山肌のところどころにある戦時中掘られた防空壕がその歴史を物語っていました。三度目にして始めて行った博物館の庭には、戦争の残した大きな残骸が置かれ、その数々はそこに散っていった若者たちの悲しみやむなしさを感じるものばかりでした。船のそばで歓迎の踊りを披露してくれた人たちとのショットをご披露します。かなりドキドキでした。

船内
ピースボートは、長期短期、含めて二九回目の乗船となりましたが、今回は年配のお客様が九割というガラッと変わった雰囲気で、安心感と落ち着きが漂う船内でした。いつものようにお弟子さんを募集、二九名が集まり、一門名は「オセアニ家」。特訓に特訓を重ね、見事な一門発表会をいたしました。また、手話を勉強している方々も多かったので、中島みゆきの「糸」を手話コーラスで、という企画をして最後の自主企画発表会でご披露、これも好評でした。ピースボートは全国のお客様とのご縁を作るチャンス、落語の良さを知ってもらうチャンス、そして私自身が視野を広げられるチャンスです。状況が許す限り、もちろん求められる限り乗船したいです。

菊千代 旅日記/3 最後に、おねがい!

皆さん、日本を戦争のできる国にしないでください。憲法9条を変えないでください。3項に自衛隊を明記するならいいじゃないかなんて思わないでください。世界を見てください。誰が戦争をしたいのか、戦争を避けたいのかよく見てください。日本がどんどんおかしくなっていることを感じてください。

福島の原発の事故が収まっている、人々は落ち着いている、東北や九州の災害に遭われた方々が復興に満足しているなんて思わないでください。原発がなきゃ電気はどうするんだという前に、原発事故になったらどうするんだということを考えて下さい。

沖縄の人たちの気持ちを考えてください。基地が自然を壊していくこと、沖縄の海が好きな人は良く考えてください。アメリカ軍と自衛隊が合同演習をしている意味を考えてください。守るためだろうが責めるためだろうが戦争は戦争です、戦争になったら苦しむのは私たちです。まさか、これからそんなことがなんて思わないでください。いざとなったら言いたいことが言えなくなります、着実に準備が始まっていることを感じてください。

憲法は私たちのもの、政治は生活のことです。